巨大魚マメルクとヘムレンさん
皆さん、ウナギはお好きですか? こんにちは、ウナギ大好き森番です。今日は、土用丑の日ですね。連日の猛暑に、すでに夏バテ気味という方も多いのでは!? そんな時はぜひ、ウナギでも食べて精をつけたいっっ!! と言いたいところですが、そんなウナギはというと稚魚の不漁により、価格が高騰中だとか。。。更には世界中で絶滅が危惧されているため、それに伴って土用丑の日のあり方そのものも見直されつつあるのだそう。。。美味しいウナギを末永く食べられるようにするためにも、うなぎを消費する私たち一人一人が、この問題に真摯に向き合っていきたいものですね。
ところで『たのしいムーミン一家』(講談社/山室静訳)には、植物学者のヘムレンさんならぬ「焼き魚が好きなヘムレンさん」が登場することを皆さん知っていましたか? 暑さでついに頭がおかしくなっちゃったの?と森番を疑っている皆さん、本当の本当なんですよ!!
とても暑くなってきた、6月末のムーミン谷。あまりの暑さで不機嫌になっていたムーミンたちは、ムーミンママの勧めにより涼しい洞穴へと出かることにします。こうしてしばらくの間、洞穴で過ごすことになったムーミン一行は、皆で魚釣りをすることにします。そしてそこでまさかの巨大魚マメルクに、遭遇するのです。
「そのとききゅうにマメルクは、とほうもなく大きい青白いはらを上にして、波のおもてにうかびあがりました。」
「これほど大きいさかなは、だれも見たことがありませんでした。(後略)」
ついにマメルクを釣りあげた(餌はパンケーキ)ムーミン一行。ところがいざ、釣ったマメルクを引っ提げてムーミン屋敷へと戻ると、どういうわけかムーミン屋敷がジャングルになってしまっていたのでした。ジャングルに消えたムーミン屋敷へと突入する、ムーミンたち。一方のヘムレンさんは、外でマメルクの番をしながら、皆を待つことになります。そしてようやくジャングルの勢いがおさまった頃、ヘムレンさんはとても「うまい」ことを思いついたのです。よい考えの浮かんだヘムレンさんは、ジャングルの枝や葉を山のように集めると、庭のまん中で大きなたき火を始めます。
「(前略)とてもヘムレンさんとは思えないほどの力をだして、マメルクのしっぽをもってひきずってくると、それを火の中へなげいれたのです。」
「なにしろ、やいたさかなときたら、ヘムレンさんのいちばんすきなものでしたからね。」
な、なんと、ジャングルのたき火で、釣りあげたマメルクを焼き魚にすることを思いついたのですっ!!(天才!!) ようやくジャングルとを抜けだし、戻って来たムーミンたち。するとそこにはすでに、焼き魚を食して大満足したヘムレンさんと、すでに焼き魚となった巨大魚マメルクの変わり果てた姿があるのでした。。。
「(前略)ヘムレンさんは、とても幸福そうにしていたのです。」
「もうあの大マメルクの七分の一ほどは、たいらげてしまっていました。」
今週は土用丑の日ということで、巨大魚マメルクとヘムレンさんについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 今回のヘムレンさんに関しては、まさか巨大魚マメルクの七分の一を一人で食べきってしまうほどの魚好きであったとは、驚きでしたね。そしてそんな焼き魚を食べて幸せになるヘムレンさんに、とても親近感がわいてきたのは気のせいでしょうか。。。(うわ~、焼いてる姿が怖すぎます・・・。冬のヘムレンさんといい、夏のヘムレンさんといい、ヘムレンって、本当に大胆ですよね。新金庫番は、なんだか今晩、ムーミン屋敷前で焚かれた大かがり火にあたりながら、ヘムレンさんの隣に並んで、一緒に香ばしい焼き魚を箸でつつく夢を見そう。 by 新金庫番)皆さんも土用丑の日、ウナギだけに限らず、ヘムレンさんのように美味しいものをいっぱい食べて、夏の暑さを乗り切りましょうっっ!! それでは今週はこの辺で、また来週お会いしましょう~!
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