ムーミン谷はどこにある?
ついに! 3月16日は待ちに待ったムーミンバレーパークの開園です! そこで、クエスチョン。ムーミン谷はどこにあるでしょう?
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さて、前置きが長くなりましたが、ムーミン谷、英語だとムーミンバレー。フィンランド以外では世界で唯一、日本にオープンするムーミンのテーマパークの名前の一部であり、新作TVアニメの原題も『MOOMINVALLEY』(日本でのタイトルは『ムーミン谷のなかまたち』) です。
ムーミン谷は、ムーミンたちが楽しく暮らす物語の舞台。原作小説第1作『小さなトロールと大きな洪水』(講談社刊/冨原眞弓訳)では、洪水で流されてしまったムーミンやしきが流れ着いた、どんなところよりも美しい谷だと描かれています。また、第2作『ムーミン谷の彗星』(講談社刊/下村 隆一訳)の冒頭では、次のように描写されています。
ムーミンたちの住んでいる谷間は、とてもきれいなところです。そこには、小さな生き物たちがたくさんしあわせにくらしていて、大きな木が青々としげっていました。野原のまん中を川が流れ、青いムーミンやしきのそばで、ぐるっとカーブしてから、ほかの小さな生き物たちのいる土地へ、流れていくのでした。
同書に掲載されている地図を見ると、右手には大きくそびえるおさびし山、上下にも小高い山、林をはさんで左上には海、そんな場所にムーミン谷はあります。物語の世界に沿っていえば、ムーミン谷があるのはおさびし山と海の間、なんて答えることもできます。
2018年、センター試験で、「フィンランドを舞台としたアニメーションはどれか?」と問い、「ムーミン」を正答とする問題が出て、大きな波紋を呼びました。メディアの取材に対し、大学入試センターは原作者トーベ・ヤンソンの「日本の読者のみなさんへ」と題したメッセージの「フィンランドにあるムーミン谷は、たぶん、あなたが思っているほど、あなたのところから遠くへだたってはいないのです」という一節を根拠として示しています(もっとも、出題に使われた絵はトーベの原作ではなく昭和版アニメのもので、アニメの舞台を問うているんですけどね……)。
小説第3作『たのしいムーミン一家』(原題「魔法使いの帽子」)の英訳がイギリスで出版されたときのタイトルは”Finn Family Moomintroll”(「フィンランドのムーミントロール一家」)でした。第8作『ムーミンパパ海へいく』の挿絵にフィンランド湾という文字を描いていたこともあります。
一方で、小説『たのしいムーミン一家』を書いたとき、下敷きにしたのは、幼少期に家族で楽しい夏の日を過ごしたスウェーデン群島にあるブリド島と、弟のラルスと共に夏の小屋を作ったフィンランドのブレッドシャール島での体験だったとも言われています。
第2作『ムーミン谷の彗星』や第4作『ムーミン谷の夏まつり』には火山が登場ますが、実はフィンランドには火山はありません。
以上のような事柄を踏まえつつ、公式見解に基づいた正解は「ムーミン谷はフィンランドを含むどこか実在の場所にあるものではなく、現実とは別のファンタジーの世界である」となります。
センター試験が世間を賑わせていたとき、在日フィンランド大使館は「あなたの心のなかに」とツイート。ちょうど来日したフィンランドのソイニ外相も「ムーミンはひとりひとりの心のなかにいる」と語りました。
また、トーベは「ムーミン谷に住んでみたい。そう思った瞬間、あなたはもうムーミン谷の住人なのです」という言葉も残しました。そうであるならば、フィンランドのナーンタリのムーミンワールドにも、タンペレのムーミン美術館(リニューアル前はムーミン谷博物館という名前でした)にも、日本の飯能にもムーミン谷はあるでしょう。そして、もちろん、本の中にも、あなたの心のなかにも……!
萩原まみ
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