令和元年のこどもの日
ついに、元号が令和に改まりましたね。ムーミン公式サイトの一部も、気分新たにリニューアル! 「Introduction 初めての方へ」が新設されたほか、キャラクター紹介も新しくなっています。ぜひ、じっくりあちこちご覧になってみてください。
さて、5月5日は令和になって初めてのこどもの日。 そこで今回は、先月からNHK BS4Kにて放送が始まった新作テレビアニメシリーズ『ムーミン谷のなかまたち』の記念すべき第1話「リトルミイがやってきた」の原作、「家をたてよう」(ムーミン・コミックス 第4巻収録/筑摩書房刊/冨原眞弓訳)をご紹介したいと思います。
このエピソードは、ミイのおはなしえほん『ちびのミイがやってきた!』(徳間書店/もりしたけいこ訳)として絵本にもなっていて、大勢のミムラの子どもたちが登場する、にぎやかで楽しいストーリー。
コミックスでは、ミムラねえさんがミイよりも先にムーミンやしきに滞在しているという設定で、このとき初めてちびのミイがムーミン一家と出会います。ミムラねえさんを訪ねて、母親のミムラ夫人と大勢の子どもたちがムーミンやしきにやってきました。子どもたちはムーミンママの台所をめちゃくちゃにしたり、ムーミンの部屋を占領したり、フィリフヨンカの子どもたちを引きずりまわしたり、やりたい放題です。なかでも、体はいちばん小さいのに、誰よりもやっかいなのがちびのミイ! 困り果てたムーミンは自分の住みかを確保するため、家を建てますが……。新作アニメ『ムーミン谷のなかまたち』では、平和なムーミン家にミイをはじめとするミムラ一家が押しかけてきて、大騒ぎを巻き起こします。なにしろ、第1話ですから、視聴者も、“はじめまして”の状態。コミックスに出てくるミムラねえさんやスノークのおじょうさんは登場せず、ムーミン一家とミイの出会いやそれぞれの性格がわかりやすく綴られていきます。原作にはないムーミンママの水着姿など、驚きの演出で、テンポよく物語が進み、最後にまたアニメオリジナルのびっくりなオチが!
振り返ってみれば、日本で最初にムーミンのテレビアニメシリーズが放送されたのは、1969年(昭和44年)のこと。♪ねえムーミン♪の主題歌でも知られる『ムーミン』(フジテレビ系)です。
その次が、今から約30年前、1990年(平成2年)の『楽しいムーミン一家』(テレビ東京系)。「家をたてよう」のお話は第45話「ムーミンの建てた家」でもアニメ化されています。ミイはすでにムーミン谷に住んでいるという設定だったため、ムーミンが自分で家を建てる部分が重点的に描かれました。
旧作アニメはファンの間で、昭和ムーミン、平成ムーミンと呼ばれて親しまれてきました。奇しくも、令和元年から始まった新作アニメ。ムーミンをまったく知らなくても楽しめますし、この作品をきっかけにムーミンを好きになってくれる人が増えていくのではないでしょうか。新作アニメに関連して、5月5日18:05からNHK総合でスペシャル番組「ムーミン谷への招待状」が放送されます。大型連休を満喫なさっている方も、仕事だよ!という方も、しばしムーミン谷に思いをはせて、楽しいひとときをお過ごしくださいね。
(余談ですが、タンペレのムーミン美術館では2020年1月26日まで、ムーミンアニメの歴史を振り返る企画展「ムーミンアニメーション スリルとやさしさに包まれて」が開催されているそうです。フィンランド旅行中のラッキーな方はぜひお立ち寄りを!)
萩原まみ
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