スナフキンが嫌いなものは?
ムーミンシリーズに登場するキャラクターのなかで、一、二を争う人気者、スナフキン。小説、コミックス、絵本、各アニメ作品、ムーミンバレーパークやムーミンワールドのキャストさんなど、設定に多少の幅がありますが、あなたにとってスナフキンってどんなイメージでしょうか? 自由と孤独を愛する旅人、詩人、哲学者、クールでニヒル、優しくて頼れるお兄さん的存在、気のおけない遊び友だち……。
そんなスナフキンのちょっと意外な一面が、5月16日に放送されたテレビアニメ『ムーミン谷のなかまたち』第7話「スナフキンと公園番」で描かれました。「見たよ!」という、4K放送を視聴可能なラッキーな方なら即答できてしまうはずですが、ここで今回のクイズ! 自由を愛するスナフキンが嫌いなものとは何でしょう?
夏至の前夜、スナフキンは川で、流れてきた裁縫かごを釣り上げます。そのなかに入っていたのは、なんとミイ! ふたりはいっしょに旅をすることになりますが、スナフキンにはやらなければならないことがありました。森の中の公園の塀に掲げられた「立入禁止」の注意書き。厳しい公園番が、公園の木々をきっちり刈り込み、侵入者に目を光らせています。公園は子どもたちが楽しく遊ぶ場所なのに、あれも「禁止」、これも「禁止」。そんなこと、許せるはずがありません。公園番をやっつけるためにスナフキンがしたこととは……!?このエピソードは、小説『ムーミン谷の夏まつり』が原作。スナフキン好きの方なら、すぐにわかりますよね? 答えは「~禁止の看板」または「何かを禁止されること」。「立ち入り禁止」「◎◎するべからず」、そんな看板や張り紙を、スナフキンは許すことができません。いつもはクールな印象の強い彼ですが、「~禁止」の看板を目にすると、驚くほど熱くなってしまうのです。公園にある「~禁止」の看板を片っ端から抜いてまわって、その看板を夏まつりのかがり火用の薪だと勘違いしたムーミンたちが大変なことに……。騒動の顛末が気になる方は、ぜひ『ムーミン谷の夏まつり』をお読みください。
ちなみに、何かを禁止されたり、命令されたりするのが嫌いなスナフキンの性質は、小説『ムーミンパパの思い出』で描かれるお父さんのヨクサルによく似ています。また、反骨精神あふれるスナフキンの一面を知ってますますファンになっちゃった~という方には、小説『ムーミン谷の十一月』もおすすめです。ナイーブかつアグレッシブなスナフキンの魅力に、より深く触れることができますよ。第7話「スナフキンと公園番」と原作の『ムーミン谷の夏まつり』には、もうひとつ、また別のスナフキンの意外な一面が出てきます。窮屈な思いをしながらも、公園番の世話になっていた身寄りのない森の子どもたち。彼らは行き場を失い、スナフキンを慕って、離れなくなってしまったのです。慣れない子どもの相手に戸惑い、四苦八苦するスナフキン。ちょっとキュンとしちゃうかも……。あまり知られていないスナフキンの一面といえば、先日、新版が発売された絵本にもスナフキンが登場するって、ご存じでしたか? 『ムーミン谷へのふしぎな旅』ではウィムジーとカードゲームに興じる姿が、『さびしがりやのクニット』ではハーモニカではなく横笛を吹く姿が描かれています。
この表紙のスナフキンも、ホムサ族らしき少年の肩に手を置いて、井戸端会議に参加中!? 群れるのが苦手なスナフキンにしては、珍しい場面ですよね。
新作アニメ『ムーミン谷のなかまたち』では、人気俳優の高橋一生さんが声を演じていることでも話題のスナフキン。原作とはまた一味違った、豊かな表情を見せてくれます。アニメオリジナルの描写も多いので、どんな活躍が見られるのか、今後の展開が楽しみですね。
萩原まみ
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