リトルミイの小さないたずら【ムーミン春夏秋冬】
10月といえばハロウィン、ハロウィンと聞いてパッと連想するキャラクターはおばけやスティンキー、ニブリング(クリップダッス)でしょうか。もうひとり、ムーミン谷でいたずらが得意なのは? そう、リトルミイです。
特に、テレビアニメシリーズにおいては、昭和時代の『ムーミン』(フジテレビ系)でも、平成版の『楽しいムーミン一家』(テレビ東京系)でも、最新作の『ムーミン谷のなかまたち』でも、いたずら好きで元気いっぱいの女の子として描かれてきました。
ムーミンパレーパークのアトラクション「リトルミイのプレイスポット」(「ムーミン谷の映画館」にリニューアルのため、運営終了)」に行ったことがある方は、イシシシシッというかわいい笑い声を思い出すかもしれません。
トーベ・ヤンソンは「リトルミイはいたずらだけど、意地悪ではない」と語っていたことがあったそうです。
小説でのイメージは?
リトルミイ(ちびのミイ)が最初に登場する小説『ムーミンパパの思い出』では、相手がドキッとするような言葉を口にしますが、どちらかというと同作で人をだましたりからかったりするのが好きなのは姉のミムラのむすめ(ミムラねえさん)のほうです。
続く、小説『ムーミン谷の夏まつり』で、ふたりはムーミンやしきに滞在中。
物語の冒頭、ムーミンママの裁縫かごに潜り込み、ミムラねえさんから「出てきなさい」と叱られますが、ますます奥に入り込んでしまうのでした。
好奇心旺盛で、気持ちのままに行動し、のぞき込んでいた床のはね上げ扉からボチャンと落っこちて水に流されてしまっても、おもしろがって冒険に乗り出します。
コミックスではいたずら大好き
いたずら好きの本領を発揮するのは、ムーミン・コミックス。
ミムラきょうだいたちの魅力が存分に楽しめるエピソードが「家をたてよう」(ムーミン・コミックス 第4巻収録/筑摩書房刊/冨原眞弓訳)です。
コミックスに初登場するやいなや、ムーミントロールのベッドに潜り込んで足に噛みつき、しれっと自己紹介するリトルミイ。
コーヒーポットに入り込んだり。
時計の振り子をぶらんこ代わりにしたり……。
あまりの騒ぎにムーミン一家は音を上げ、なんとかミムラたちにお引き取り願うのですが、安心したのも束の間、リトルミイがこっそりが隠れて残っていました。
ムーミンママが「おぎょうぎよくしてくれる?」と頼んだとき、出してきた条件は「トリック オア トリート」(お菓子をくれなきゃいたずらするぞ)どころではありません。「ムーミントロールの部屋にひとりで住みたい!」と言い出したのです。
とはいえ、悪さばかりではなく、建設許可を手に入れたり、家の土台になりそうな石を見つけたりと、問題を解決してくれることも。
その豊富なアイディアと行動力、ぜひ原作で確かめてみてくださいね。
秋もリトルミイといっしょに!
長く暑かった夏がようやく終わりの気配を見せ、秋の気分が高まりつつある今日この頃。
「ムーミンバレーパークのハーベスト」のコンセプトは「実りの秋のハーベスト」と小説『ムーミンパパの思い出』ですが、キービジュアルにはリトルミイの姿も!
上演中のライブエンターテイメントショー『勇気を知った少女 ~ムーミン谷の仲間たちより~』でも大活躍しています。この時期にぴったりなショーのテーマ曲「おっきいりんごの唄」はメッツァ公式YouTubeチャンネルや楽曲配信でも楽しむことができますよ。
そして、毎年大人気のムーミン×メリーチョコレートのハロウィン限定商品にもリトルミイが!
夏の疲れが出がちなこの時期、リトルミイに元気をもらいながら秋を満喫なさってくださいね!
文と写真/萩原まみ(text&photo by Mami Hagiwara)
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