50年代の陶製ムーミンフィギュアたち
体長が3センチ程度しかない、小っちゃな陶器製ムーミンフィギュアが、ヘルシンキのリカルディンカトゥ市立図書館の2階に展示されました!(2月28日終了)
この小さな展覧会は、レオ・ティッキライネン(1919-1984)が1950年代から60年代に製作した小さな陶製人形を紹介したもので、さまざまな量産品の中には、当時のフィンランドで特に人気があった「子鹿のシリーズ」をはじめ、「見ザル言わザル聞かザル」、10種類のムーミンフィギュア(1956-1963年)などがあります。
(日光東照宮で見る事ができる「見ザル言わザル聞かザル」は海外でも人気のモチーフで、英語で「the three wise monkeys(三匹の賢い猿)」といいます。)
これは、10種の陶製ムーミンたちの生誕60周年をお祝いする展示でもありました。1956年2月20日、独創的な発想力をもつレオ・ティッキライネンは、トーベ・ヤンソンが、ストックマンデパートとフィギュア商品化の契約をしたことから、その製作権を手に入れます。
ティッキライネンの工房では、およそ1万5千体ものムーミンフィギュアが、ストックマンの限定販売品として製作されました。
10種のキャラクターには、様々なバリエーションがあります。例えば目を閉じていたり開いていたりする色違いのエプロンをしたムーミンママや、白やピンク色のムーミンパパ。色とりどりのムーミントロールは、定番の白以外に、水色やピンク色もいます。スノークのおじょうさんは、目を閉じていたり開いていたりするほか、ときに金のアンクレットをつけていたり。ピンクや水色の洋服を着たスナフキンなんてとても貴重ですね。
色々な色の洋服を着たリトルミイの中でも最も珍しいのは緑色の洋服。洋服と瞳の色のバリエーションがたくさんあるミムラだと、黄色い洋服が珍しい色です。とても稀少なトゥーテッキは、赤、または青のシャツを着ています。ピンクや、珍しい青色のエプロンをつけているミザベル、それに、大変貴重な警察官のヘムルにいたっては、現存は1モデルしか確認されていません。
これは、ティッキライネンの工房で、1万個目を記念して製作された特別仕様のムーミンパパ。図書館でも展示されていました。(お腹に金で「10,000」の文字が!)
1964年の始め、ティッキライネンがアラビア社で仕事を始めると、ムーミンたちのフィギュアを製作する権利も、ティッキライネンとともにアラビア社の属する企業グループ(バルチラグループ)に移りました。しかしアラビア社は、トーベのパートナーであるトゥーリッキ・ピェティラがデザインをした90年代まで、陶製のムーミンフィギュアを生産することはありませんでした。
出典:「Rikahrdinkatu library & Scandinavian Retro」(2015年4月) 案内パンフレットより
写真:1枚目・3枚目/ リカルディンカトゥ市立図書館、2枚目/ 個人所有
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