リトルミイの服は何色?【ムーミンクイズ】

先月のムーミンパパに続いて、今月のファッションチェックはリトルミイ
リトルミイといえば、どんな色のお洋服が思い浮かびますか?

原作は白黒?

トーベ・ヤンソンが描いた小説の挿絵もコミックスも、基本は一色。
ですから色の手がかりになるのは、本文に文字で書かれていること、カラーの表紙、絵本、トーベ自身が手がけた広告やグッズのイラストなどです。

色はさておき、服の形はほぼ共通していて、ゆったりしたスモックワンピースで、後ろ身頃にずらっとボタンが並んでいます。

首もとのリボンは挿絵によって、蝶ネクタイふう、長めのボウタイ、ふんわりとしたスカーフ状などの違いが。もしかしたら、日によってリボンの色や結び方を変えておしゃれを楽しんでいるのかもしれません。

小説『ムーミン谷の冬』には、コートを着てマフラーを巻いているような挿絵も。手にはミトンをはめていますね。

 

定番は赤いワンピース!

さて、リトルミイの服の色、いちばん多い答えは「赤いワンピースにピンクのリボン!」でしょう。

平成のテレビアニメ『楽しいムーミン一家』(1990年、テレビ東京系)が作られたとき、トーベ監修のもとに設定されたのがこの組み合わせでした。
トーベのこだわりは黒い手の部分で、これは手袋ではなく、素手が黒いのだとか。

また、小説の挿絵ではスカートから見えているのは黒いブーツだけで、足はあまりはっきりと描かれていません。しかし、連続した動きで表現するアニメーションでは足が出てしまうこともあるため、トーベと相談をして内側に黒っぽいズボン(レギンス)を履いていると定めたそうです。

ちなみに最新アニメ『ムーミン谷のなかまたち』でも赤いワンピース&ピンクのリボンですが、手はご覧のとおり、顔と同じような色です。

 

コミックスではジャンパースカートも?

コミックスに初めてリトルミイが登場する「家をたてよう」では、見慣れたワンピースを着用。

ちょっとびっくりなのは、手に色が塗られていません。コミックスでは同じエピソードでも手が塗られていたり、塗られていなかったりします(素手は黒で、白い手袋をつけたりつけていなかったりするのかも?)

「恋するムーミン」では、最初は白ブラウス+細かい水玉のような模様入りのジャンパースカート(もしくは袖だけ白のワンピース)なのですが、途中から模様がなくなって無地に。これはあくまでも推察なのですが、エメラルドさんの顔やミイの服にはスクリーントーンを使っているように見えます。コマによってキャラクターの大きさが異なるため、ベタ塗りのほうがよいとの判断だった可能性もありそうです。

「彗星がふってくる日」の強風に飛ばされる場面では、スカートの下に白いインナーパンツを履いているように見えます。

 

絵本では青い水玉や白黒ストライプ

絵本『それからどうなるの?』の扉絵では、レアな青い水玉のワンピースを披露。
このお話ではフィリフヨンカの赤いワンピースが効果的に使われているので、意図的に描き分けたとも考えられます。

縦縞のワンピースといえば、上の『それからどうなるの?』のようにミムラねえさんがよく身につけているイメージなのですが、絵本『さびしがりやのクニット』『ムーミン谷へのふしぎな旅』ではしましまを着ているのはリトルミイです。

 

アニメの黄色いワンピース姿の出典は?

昭和のテレビアニメ『ムーミン』(1969、72年放送、フジテレビ系)世代の方は、黄色いワンピースを真っ先に思い浮かべたことでしょう。同作ではムーミンたちの体に青やグレーの色がつけられており、ミイの手が黒くないなど、原作とは異なる部分が多くありますが、黄色はアニメオリジナルというわけではありません。
絵本『さびしがりやのクニット』の表紙や、トーベ・ヤンソン生誕110年の記念グッズにも使われているイースターのイラストなどで黄色いワンピース姿を見ることができます。

こちらはコミックスの表紙。インクの色数の都合やデザイン上の理由もありそうですが、黄色いワンピースを着ています。

グッズでも大人気のリトルミイ、過去には絵本の世界を表現したムーミンショップ限定オリジナルやムーミン展限定で黄色い服のぬいぐるみが作られたこともありますし、歴代のアラビアマグミニフィギュアは白黒ストライプワンピース姿が使われています。
リトルミイフェアのメインビジュアルはおなじみの赤い服にピンクのリボンですが、よく見ると袖が白。「フィンランドムーミン便り」を連載中の森下圭子さん訳によるミイのおはなしえほんシリーズのようにリボンが黒で表現されていることも。リトルミイを見かけたら、ぜひ細かいところまで観察してみてくださいね。

文/萩原まみ(text by Mami Hagiwara